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南沙諸島問題

【南沙諸島問題】

今更という気持はあったが、中国の無法な南沙諸島での行動を
国際司法裁判所の判決を元に振り返ってみた。

もちろん中国が完敗したのは周知の事実である。
ほとんど駄目出しのような決定的判決であるが、事態は何も変わっていない。
国際司法裁判所の判決は強制権もなく意味が無いが、それでも出た判決が
世界各国に及ぼす影響は大きいと思われる。
南シナ海に主権が及ぶとして海洋進出を強める中国に、国際司法が初めて
NOを突きつけた。フィリピンが国連海洋法条約違反として申し立てた
仲裁裁判であり、申し立てから3年半を経て出た結論は、中国の管轄権を
全面的に批判するものだった。オランダ・ハーグにある常設仲裁裁判所が
中国に突きつけた「5つの駄目出し」である。

(駄目出し1)中国が主張する境界線は「証拠なし」

判決の最大の焦点は、中国が主張する独自の境界線、いわゆる「9段線」を
認めるかどうかだったが、中国側は南シナ海の全域がすっぽり収まる9段線を
境界線として主張し、ここに自国の権利が及ぶとして、七つの岩礁を埋め立て、
人工島などを造ってきた。

判決では中国や他国の漁師が歴史的に南シナ海の島々を利用していたとしても、
中国がその水域や資源を独占的に支配していたという証拠はない。
よって裁判所は、中国が「9段線」内の海洋水域の資源について主張する
歴史的権利は、法的な根拠はないと認定する。

(駄目出し2)埋め立てた人工島に対しては「岩以下」

中国が埋め立てた人工島が何にあたるのかも争われた。仮に「島」であれば、
周囲12カイリ(約22キロ)が「領海」として認められ「排他的経済水域
EEZ)」では資源の探査や人工島が設置できる。「岩」は領海のみが
認められる。満ち潮の時は水没してしまう「低潮高地」だと何の権利も
認められない。

判決では中国が建設を進める七つの人工島についてはスビ礁、ヒューズ礁、
ミスチーフ礁の3か所は「低潮高地」。南沙諸島に「島」はなく、この海域に
中国の管轄権が及ぶ場所はない。

(駄目出し3)中国艦船の存在は『フィリピン漁民の邪魔」

中国の南シナ海における活動については、中国艦船がフィリピンの漁民の
漁業を妨害しているという批判が起きていた。

判決では中国はフィリピンのEEZ内で、フィリピンの漁業・石油探査の
妨害や、人工島の建設などによってフィリピンの主権を侵してきた。
フィリピン漁民のアクセスを制限して権利を侵害した。
中国艦船はフィリピン船を妨害し、深刻な衝突の危険を生み出したとしている。

(駄目出し4)人工島建設は「環境を破壊」

中国の「人工島」建設に関しては、自然を破壊しているという指摘があった。

判決では中国は大規模な埋め立てと人工島の建設を七つの岩礁で実施し、
サンゴ礁に修復不可能な損害を与えた。中国当局は、中国人漁師がサンゴ礁に
激しい被害を与える方法で絶滅のおそれがあるウミガメやサンゴ、ミル貝などを
大量に捕獲していると知りながら、その活動を止める義務を果たさなかった。

(駄目出し5)中国の態度は「証拠を破壊」

大規模な人工島建設を強行した中国の態度が、今回の紛争を悪化させたか
どうかも争われた。

判決では中国は海洋環境に修復不可能な損害を与え、フィリピンのEEZ内で
大規模な人工島を建設し、南シナ海諸島の自然な状態という証拠を破壊した。
こうした行為は紛争解決の手続き中の条約国としての義務に背く。

これが判決のすべてである。通常のまともな国家であれば、この判決を
踏まえて改善するべく対処・対応するのだが、さすが侵略国家である中国は
2万字に及ぶ白書で反論するだけで、何ら事態は解決していない。

この判決に対する中国の反応は、もともと中国はこの裁判について
「一片の紙くず」(前国務委員)
「受け入れず、参与せず、認めない」(人民日報)
「茶番劇」(王毅外相)と、相手にしない立場をとっている。

判決が下った翌日、中国国務院は2万字に及ぶ白書で反論し、タイトルは
「中国は断固として、南シナ海に関する争いをフィリピンとの話し合いを
通じて解決していく」というもので、これまた「5つの主張」を展開している。

その中国の主張

(主張1)南シナ海は「2000年前から支配」

中国人民の南シナ海における活動は、紀元前2世紀の西漢時代にさかのぼる。
中国が最も早く発見し、命名し、利用し、かつ周辺海域にて有効的、平和的に
主権を担ってきた。中国がこの海域における権益は長い歴史をかけて
確立されたものであり、法的根拠に十分基づいたものだ。

嘘つき中国の本領発揮! 何も証拠がない歴史を国際間の対応に出すことで、
この国家自体が異常な思考であり、異常な民族であることがわかる。
いや中国共産党の異常さか。

(主張2)争いの発端は「フィリピンが違法に占拠」

南シナ海を巡る中国、フィリピン両国の争いの発端は、フィリピンが違法に
中国の管轄する南沙諸島の島嶼を占拠したことが核心だ。南沙諸島は
フィリピン領土の外にある。国際海洋法の制度の発展が中国・フィリピン間の
海洋区分の争いを生み出したのだ。

中国の核心は他国の非常識といういつものパターン。しかもどうしようも
なくなって仕舞いには国際海洋法に問題をすり替えている。どうみたって
フィリピンおよびベトナム等の占有する海域であることは明らかだ。

(主張3)争いは「話し合いによって解決する」

中国は断固として南シナ海諸島における主権を守り抜き、フィリピンによる
一方的な訴えに反対する。フィリピンとは話し合いを通じて解決していく。
だが、残念なのは、フィリピン側に協力する意志が乏しいため、両国の
話し合いが停滞している。

国際司法裁判所は当事国が参加しなければ提訴が成り立たない。
(韓国は竹島問題で国際司法裁判所では勝てないと思って決着を求める
 日本の提訴に対して裁判に加わろうとしない。不法占拠しながら
 韓国の占有は明らかなので裁判をする必要はないとほざいている。)
受けて立つ中国は自分勝手な甘い大国的判断をした。
つまり訴えられた中国は浅はかにも勝てると踏んで受けたのだ。
ところが100%の完敗。あわてた共産党は苦し紛れの中身の無い
言い訳を繰り返えしている。「話し合いによる解決」がその一つである。
軍事力と経済力(経済的支援)による恫喝をもって話し合いが有利に
進むと信じ、大国の妄想を押しつけようとしている。

(主張4)「問題を複雑化しているのはフィリピンの方だ」

フィリピンは、中国との間で成立した南シナ海紛争の解決に関する
コンセンサスに背き、「国連海洋法条約」の制度を乱用して勝手に
(仲裁裁判所に)訴えた。この行為は解決を導くためではなく、
これを機に中国の自国の管轄を否定したいだけなのだ。

世界中で国際法関連を理解していない国の筆頭である。
この国が国連の常任理事国であることが国連の致命的な欠陥の一つである。
おそらく中国共産党幹部も、やばい事になったと痛感している。
しかし無知な人民の前で恥をさらすことはできない。そんな事をすれば
共産党の威信に関わるし、それは共産党の崩壊に繋がる。
崩壊すれば今まで行ってきたチベット侵攻や新疆ウイグル地区の軍事的支配、
少数民族への圧政、目を覆う贈収賄、致命的な環境破壊と汚染など様々な
旧悪が世界の目にさらされ、自分たち幹部の優雅な生活と特権を失ってしまう。
だからどうあっても判決を認めるわけにはいかない。
共産党の内部では個人的には国際司法裁判所の判決が正しいと思っている
人間も多数いるが、それを発言すれば現在の地位が飛んでしまう。
中国の思想的恐怖政治である。

(主張5)中国は「平穏を保つ平和的国家」である。

中国は南シナ海を平穏に保つ要である。一貫して憲法に従い、国際法治の
促進を保ち、国際法を尊重し、争いや不一致を話し合いによって解決してきた。
ウィンウィンの関係を通じて南シナ海を平和的、友好的、
協力的な海にするために尽力する。

ここでも嘘つき国家の本領発揮!
中国が欲しいのは「平穏」ではなく「領土」。
そして領土についてくる「資源」である。
すでに島嶼は軍事的基地化されている。
「平和的、友好的、協力的な海にするために尽力」するわけがない。
「軍事的、排他的、孤立的な海にするために努力」に邁進する。

国連の改革が必要である。第1に常任理事国の廃止。
これが拒否権でできないのが国連の致命的欠陥。
これでは国連は1000年たっても変わらない欠陥だらけの機関である。
ではどうするか。
常任理事国制度の撤廃を本会議で提案し、拒否権で不成立の場合はすぐに
第2の国連を立ち上げ現在の国連からは脱退する。
これを実現できるが日本とドイツである。国連は名前は国際的な機関だが、
所詮は戦勝国のための創られた機関なのである。

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