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マダニとツツガムシ

【マダニとツツガムシ】

アウトドアシーズン真っ盛りになり、肌の露出の多い服装になる。
油断をしているとリケッチア症にかかってしまうかもしれない。
日本でかかるリケッチア症は、マダニが媒介する日本紅斑熱とツツガムシが
媒介するつつが虫病の2種類。
治療が遅れると重症化したり死亡したりすることもある。
国立感染症研究所によると2016年は、日本紅斑熱の報告数が過去最高と
なり、つつが虫病の報告数は16年ぶりに500件を超えた。

「故郷(ふるさと)」という唱歌があるが、その中の歌詞に
「恙なきや父母」とある。いかに昔は恙虫(つつがむし)が
恐れられていたかわかる。

マダニは野山や畑、あぜ道などに生息し、葉の先端でウロウロしながら
寄生するための哺乳動物が近づくのを待っている。幼虫、若虫、成虫と
成長していく過程で1回ずつ哺乳動物の血液を吸う。ツツガムシは土の中で
生活していて、他の虫の卵などを食べるが、卵からかえった幼虫の時に
1回だけ哺乳動物の体液を吸う。マダニやツツガムシがリケッチアを
持っていると、吸着する際に出す分泌液からリケッチアが体内に入り込む。

リケッチアを持つマダニやツツガムシにかまれると、日本紅斑熱は2~8日、
つつが虫病は10~14日の潜伏期間の後に、39度前後の高熱が出て、
淡い赤色の小さな発疹が広がり、頭痛や関節痛、だるさなどの症状が出る。
発疹は、日本紅斑熱の場合はほぼ全ての患者で現れ、腕や脚、手のひらを
含め全身に出る傾向がある。一方、つつが虫病では胴体を中心に広がるのが
特徴だが、半数未満にしか発疹が現れないとするデータもあるという。
また、両方とも、中心が黒いかさぶた状で周辺が赤くなる刺し口
(かまれた痕)が見つかることもある。

リケッチア症は見落とされることが少なくない。アカツツガムシを除いて、
マダニやツツガムシにかまれても痛みやかゆみがなく、多くの場合、
患者本人はかまれたことに気づかない。医師が診ても症状からは、麻疹
(はしか)などと間違えてしまうこともある。また、地域によって報告数や
発生時期も異なるため、場所や時期によっては医師がリケッチア症を疑わない
可能性もある。

リケッチア症の治療には有効な抗菌薬がある。適切に治療すれば通常は
3日以内に熱が下がるというが、リケッチア症はほぼ毎年死亡者が出ている。
受診の遅れ、診断の遅れ、治療の遅れで、リケッチアが体のあちこちで細胞を
壊してしまうこともある。

森林破壊等で野生生物の生息域が広がっていて、それに伴ってマダニの
生息範囲が広がっている可能性もある。一方で昔から患者が出ている
つつが虫病の報告数が2016年に増加した理由は「全く不明」だ。

では予防はどうするのかというと、畑、草っぱら、野山に入る時にはなるべく
肌を露出しない服装をし、虫よけ剤を有効にを使うことだ。また、
吸い付いているのを見つけた場合は、自分で取ろうとせずに医療機関を
受診する。口が皮膚に刺さったまま残ったり、リケッチアの入った体液を
逆に体内に押し込んだりしてしまう恐れがある。

リケッチア症以外にも、マダニはウイルスを媒介し、西日本を中心に患者が
確認されている重症熱性血小板減少症候群(SFTS)や北海道で報告されて
いるダニ媒介脳炎も引き起こす。アウトドア活動を楽しんだり、農作業を
したりする時には予防対策を忘れてはならない。

マダニ

 マダニ

ツツガムシ

 ツツガムシ

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