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好きな文章

【好きな文章】

日本書紀の中で神々が下した素戔嗚尊(すさのおのみこと)への宣告
 故(か)れ天上(あめ)に住む可(べ)からず。
 亦(また)葦原中国(あしはらなかつくに)に居る可からず。
 宜(よろ)しく急(すめやか)に底根国(そこつねのくに)に
 適(い)ねといひて、乃(すなは)ち逐降(やらひ)去(や)りき。
それに対する素戔嗚尊
 時に霖(ながあめ)ふる。
 素戔嗚尊青草を結い束ねて、簑笠(みのかさ)と為(な)し、
 宿を衆神(かみがみ)に乞(こ)う。衆神日(まう)さく。
 汝(なんじ)は此れ躬(み)の行(わざ)濁悪(けがわは)しくして、
 逐謫(やらひせ)めらるる者なり。如何(いか)にぞ宿を我に乞ふぞと
 いひて、逐(つい)に同(とも)に距(ふせ)ぐ。是(これ)を
 以(もつ)て風雨甚(はなはだ)しと雖(いえど)も、留(とどま)り
 休むことを得ず、辛苦(たしな)みつつ降(くだ)りき。

この「辛苦みつつ降りき」が日本人の原点のような気がします。

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