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資源、そして自動車産業は

【資源、そして自動車産業は】

自動車が発明されたのは1769年で、最初は蒸気自動車だった。
その後、250年近い間に様々な開発が行われたが、最も大きな
開発は燃料をガソリンにしたことだろう。
しかし資源としての原油は、あと数十年で枯渇すると言われている。
また地球温暖化に対するCO2削減にも大きな影響を及ぼしている。
もし人口10億人の中国が日本なみの自動車社会を迎えたら、世界の自動車は
現在の2倍になり、CO2は今の2.5倍になると試算されている。
今、世界ではガソリン車に代わる車として電気自動車が主流になっている。
英、仏では近い将来、ガソリン車の販売を打ち切る政策が出た。
世界では電気自動車が主流になっているが、日本は水素自動車を目指している。
こんな小さな島国で世界の自動車の20%以上を生産していること事態が
異常であり、またそれが日本の経済をひっぱているのだが、これからは
苦難の道が続く。

しかし資源として考えると、電気自動車は、その電気を生み出すために
石油、石炭、原子力といったものに頼らなければならない。
風力、太陽光、潮波、地熱等の発電も進んではいるが、まだまだ需要を
満たすにはほど遠い。水力(ダム)は地理的条件もあるし、環境破壊と
いうこともあって、どこでもという訳にはいかない。
石油、石炭に頼ってはCO2削減に反するばかりで、何の意味も無い。
原子力は安全性や使用済核燃料処理の問題があって、一部の国を除いては
後身している。

しかし日本の目指す水素は海水から無尽蔵に作ることができる。
海洋国である日本ならではの方向性である。
今までのネックはその安全性であった。御存知のように水素というには
とてつもないエネルギーを持っていて、それが爆発すればすさまじい
事になる。これをどのようにして管理して燃料として安定して供給できるかが
問題であった。しかし鉄とチタンの合金によって克服することができた。
この合金は水素を海綿のように吸収し、元の千分の一に圧縮し、使用時は
加熱することで、安全に取り出せるようになった。
その水素のパワーはガソリンに劣らず、排出するのは「H2O」、つまり
限りなく純粋に近い水である。これほど環境に優しい燃料は他に無い。

米国は馬車の時代から次は鉄道の時代になった。
それから自動車が開発され、徐々に普及していった。
それとともに燃料となる石油産業が芽生える。その中で有力な企業が
生き残り、俗に言う「セブンシスターズ(7人の魔女)」という7社の
石油メジャーが確立した。世界中の原油を支配し、価格を統制し、
現在では穀物等にまで手を伸ばして支配している。
電気自動車や水素自動車の開発が遅れたのは、このメジャーの影響が大きい。
これらの開発はすでに数十年前にある程度終わっていたが、これらが
普及すればメジャーは困ってしまう。しかし地球温暖化という事象が
世界を変えた。
これからの日本の水素自動車に対する取り組みを期待するし、
興味を持って見守っていきたい。小生は今61歳、生きてもあと20年
ぐらいだろうが、世界の自動車社会はどうなっていくのだろうか。

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