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枕草子

【枕草子】

日本人の繊細な情景を感じる心を表した秀逸の名文と思います。

 春はあけぼの。
 やうやう白くなりゆく山際(やまぎは)、少しあかりて、
 紫だちたる雲の細くたなびきたる。

 夏は夜。
 月の頃はさらなり。
 闇もなほ、蛍のおほく飛びちがひたる。
 また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。
 雨など降るもをかし。

 秋は夕暮れ。
 夕日のさして山の端(は)いと近うなりたるに、烏(からす)の、
 寝どころへ行くとて、三つ四つ、
 二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。
 まいて、雁(かり)などのつらねたるが、
 いと小さく見ゆるは、いとをかし。
 日入り果てて、風の音(おと)、虫の音(ね)など、
 はた言ふべきにあらず。

 冬はつとめて。
 雪の降りたるは言ふべきにもあらず、
 霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、
 火など急ぎおこして、炭持てわたるも、いとつきづきし。
 昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶(ひをけ)の火も、
 白い灰がちになりてわろし。

今でも、これは全文、暗唱できます。
好きこそものの上手なれですね。
もう2月の中旬、春も近くです。

| 00:10 | 未分類
コメント
name.. :記憶

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