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年金のお話

【年金のお話】

年金のお話と言っても、どこの個人年金が有利だとか、将来は
これだけ貰えるといった話ではなく、非常に腹が立つ話である。

パート・アルバイトで働く約25万人が厚生年金の加入対象になったが、
「本当に私たちが高齢者になったら年金はもらえるの?」という不安の声も
少なくない。(国民年金もしかり)

それもそのはず。消えた年金記録、大赤字を作った保養施設など相次ぐ
年金行政の不祥事に対して、根深い不信感を抱かされてきた。そしてまた、
私たちの年金から積み立ててきた「年金積立金」が株価の大幅な下落で
わずか1年3カ月の間で10.5兆円もの損失を出した過去がある。

公的年金は単年度の収支ではなく、約100年間という長期にわたって、
収入と支出のバランスを保つように運営されてる。財源は、現役世代の
保険料に、全世代が負担する消費税などが組み合わされている。
さらに国民年金と厚生年金の保険料の一部を「年金積立金」として積み立て、
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用し、財源の足しに
している。

問題は、法律で「運用は安全かつ効率的に行うこと」と定められていて、
これまではリスクの少ない国債を中心に行われていた。
ところが14年10月に投資方針の見直しを行ったのだ。
国債などでの運用比率を60%から35%に引き下げた。
その一方で、リスクが高い外国株と日本株への投資をそれぞれ25%まで
引き上げた。なぜなら株式への投資を増やして利益を得なければ、今の水準で
支払い続けることは難しいという展望結果が出たからだ。
ところが、15年はギリシャ・ショックや中国株の暴落などの影響で、
国内外の株価が下落したあおりを受けて、多額の損失につながった。
株式投資はリスクが高い。恐怖のシナリオは、今後、株価がもっと下がること。
「株式や債券は今すぐ市場で売るわけではないから、将来的に株価が上がれば
利益が出る。即損失にはならない」と、GPIF側は言い訳しているが、
それは大きな間違いである。将来的に株価が上がるといのは夢のような話で
何ら保障がない。

ところが、私たちの年金積立金が溶けていくなか、公務員の年金はプラスの
運用成果を挙げているという。国家公務員共済組合連合会(KKR)の
年金積立金の運用益は、15年度下半期、248億円のプラスだった。
共済組合と厚生年金は一元化になったはずだが、KKRの年金積立金の
資産構成は、国内債券が約62%、国内株式が15%のままなのである。
なぜ、国内債券の比率をGPIFにそろえないのかという、債券の売却に
時間がかかるからだ。(あくまでもKKRの言い訳)

国民の年金をギャンブル的運用につぎ込んでいるのは公務員なのに、
公務員の「虎の子のお金」は守っているのだとしたら、おかしな話だ。
総務省から15年度の独立行政法人役職員の報酬および給与水準が発表
されたが、99法人中、理事長らの年間報酬が最も高かったのは、
なんとGPIF。年収3000万円超で突出して断トツの1位。
なにか、だまされているような気がする。
理事の報酬など一般中堅企業の係長程度で十分である。
そういうお偉方はたいした仕事はしていないのだ。

これからは公的年金だけでは暮らしていくのは限りなく無理に近づく。
余裕があれば、貯蓄も必要だが、できるだけ私的年金(個人年金)に
加入しておいた方が良い。ちなみに小生は生涯にわたって年間36万円
受け取れる個人年金に加入している。逓増式で毎年度、少しではあるが
受取額は増えていく。若いときに加入したので掛金総額は280万円超だ。
しかし73歳まで生きれば掛金総額を超す。それからは生きていれば
丸儲けといったことになる。
今は掛金が捻出できない人も調べておいて損はない。
税制上の考慮も生命保険とは別個にあって優遇されている。
優遇措置は金額にして税金が5千円から1万円くらい返ってくる程度だが、
考えようによっては1杯飲める金額である。

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2017年05月27日

コメント
name.. :記憶

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