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なぜ、タカタは倒産したか

【なぜ、タカタは倒産したか】

小生の車も現在はエアーバッグが装着されていない。
日本人の運転している多くの車が同じ状態だと思う。
ディーラーにリコールとして出したときに「いつ装着できる」と聞いたら、
「まったく予想ができない」と言われた。小生はすでにこの時に
タカタの倒産を予想していた。

先月26日午前に自動車部品大手はタカタは経営破綻した。
タカタは自動車メーカーにエアバッグを卸していて、世界で2割のシェアを
誇っていた。しかし、エアバッグの異常破裂による事故で7千万個以上が
リコール対象となり、経営が悪化。タカタの最終的な負債総額は1兆円を
超える見込みで、製造業としては戦後最大である。

では、なぜタカタは倒産したのか。

(責任逃れと消費者軽視)

タカタが経営破綻という最悪のシナリオに追い込まれたのは、自社の
責任逃れに終始して欠陥エアバッグ問題の早期解決への努力を怠り、
消費者軽視で説明責任からも逃げ回った創業家3代目の高田重久会長兼社長の
罪が大きい。

(原因の所在認めず)

「こういう経緯に至り、非常に責任を感じている」
26日、東京都内で記者会見した高田氏は、タカタを経営破綻に追い込んだ
自身の経営責任をこう認めた。
世界で多くの死傷者を出しながらタカタは「異常破裂が起きることは
製造当時は予測困難だった」と逃げ続けた。
装着状態などで自動車メーカーにも一定の責任があるとの見方すら示し、
責任を押しつけた。
高田氏はこの日の会見でもエアバッグの不具合について
「なぜ、これが起きたのか分かっていない」とし、不具合の原因の所在が、
なおタカタにあると認めなかった。

また問題発覚後、高田氏は説明責任をほとんど果たしてこなかった。
決算や株主総会などの機会があったにもかかわらず、実際に会見したのは
3回だけだ。会見を開かなかった理由について、高田氏は
「(再建計画の策定を昨年2月に委託した)外部専門家委員会が検討する
再建計画に直接コメントするのは適切でない」とした。
専門家委にスポンサーを含めた再建計画策定を任せたからとはいえ、
客観的な途中経過の説明くらいはできたはずだ。説明責任を果たさなかった
高田氏に国内自動車首脳は、民事再生法適用前、「ふざけるな」と怒りを
ぶちまけた。高田氏は会見で小さな声で謝っただけだった。

(一族企業のエゴ)

高田氏に責任逃れの経営が許されたのは、タカタ株の約6割を高田氏や
親族らが保有しているためだ。大株主と経営トップが同じであるため、
他の株主ら利害関係者の意見が反映されにくい構図だった。
昨年6月の株主総会でも、高田氏ら取締役の再任議案は難なく採択され、
一般株主からは「問題だと思う」という批判が集中していた。

しかも、高田氏は経営再建策の策定を専門家委に一任するとしながら、
再建策の検討過程では口を挟んだ。裁判所が関与する法的整理ではなく、
当事者間で再建策を協議する私的整理を求め続けた。法的整理を行えば
信用不安に陥り、取引先からの部材の供給が滞って、エアバッグなどの
安定供給に支障を来す恐れがあると主張した。

高田氏は会見でも「われわれがやっている部品の供給が停止すれば
自動車業界全体に非常なインパクトを与えると考えた」と述べ、
なおも正当性を強調してみせた。

しかし結果は最悪の倒産となった。
今まで世界の2割のシェアを誇っていた従業員は悔しいだろう。
日本には町工場レベルでも、そのシェアが世界的な企業もある。
そんな零細・中小企業が大企業を支え日本を豊かにしてくれている。
そういう企業に関しては行政が、ある程度の介入ができるシステムが
なければ今後もこういった事態は起こりうる。
企業にいらぬ口を挟んでは困るが、収益性などはチェックして、資金的にも
人的資源でも可能な限りのバックアップが必要である。

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