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1073日ぶりのセウォル号

【1073日ぶりのセウォル号】

3年前に304人の犠牲者とともに韓国南部の全羅南道珍島沖に沈んだ
貨客船「セウォル号」が23日、事故から1073日ぶりに海面に姿を見せた。
写真を見ると船底部分が上部構造物に対して極端に小さいことがわかる。
これでは安定が悪く復元力もないだろう。
作業開始から1日もたたずに船体が海面上に姿を現した。このため「こんなに
短時間で引き揚げられるのに、なぜ引き揚げ開始まで3年もかかったのか」と
疑問の声が上がっている。
まず、事故直後は政府が犠牲者の遺体収容作業に集中した。遺族らが「遺体が
流失する可能性がある」として反対したため、海中での遺体の捜索作業が
続いた。ここにも国民性の違いがはっきりと現れている。日本ではおそらく
もっと早く遺体の収容が行われるかご遺族が捜索を断念するだろう。
2014年6月に捜索作業の終了を宣言し、ようやく引き揚げ作業の
本格的な議論が始まったが、賛成・反対意見がぶつかり合い、政府が
船体引き揚げの方針を正式に発表したのは事故から1年後の15年4月だった。
引き揚げを決定するだけで1年もかかっている。
実際に作業に着手したところさまざまな困難が発生し、船内に残っている油を
除去する作業だけで1か月を要した。また、船体が沈んでいる海底の地盤が
硬く、海底を掘って船尾を持ち上げる設備を設置するだけで5か月かかるなど、
技術的にも困難なことが多かったらしい。基礎作業だけで1年近くを要した
末に、昨年7月にようやく船首を持ち上げることができた。しかし、船尾を
持ち上げる作業が困難を極める中、冬に強風が吹けばクレーンでの引き揚げ
作業は危険だとの意見が挙がった。結局、1年3か月の悪戦苦闘の末に昨年
11月にフローティングドック方式を諦め、今回の引き揚げ方式である
バージ船方式に変更した。超大型バージ船2隻を使い、船体に
つながれた引き揚げ用ワイヤーを巻き上げるという方法である。
それにしても計画自体が甘いのではなかったのだろうか。
地盤が固いとか冬の強風とか、それ自体は予測できないものではない。
それに完全な技術力不足。
おそらく日本ではこういうことにはならないだろう。
最後にもうひとつ。ソウルにこの事故に対する不満を訴える人が集まった
テント村がある。3年たった現在でもこれを警察は排除できないでいる。
韓国は法律より民意の国なので、これを排除すれば民衆からどんな非難、
デモ行為等が起こるかわからないので、手が付けられない状態なのである。

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