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優へ NO.14

【優へ NO.14】

今日は本来ならお前の34歳の誕生日になるはずだった。
おとんはまだ部屋のお前の写真を見るといろいろな事が思い出されて
涙が出てくる。
そして、ああすれば良かった、こうしてやれば良かったと後悔している。

お前が産まれた時におとんは楚辞を読んでいた。
中国の戦国時代の楚の宰相で有名な詩人の屈原の作だ。
その屈原は「憂国の詩人」と言われた。お前の名前はその憂を貰ったけど、
憂は「うれい」とかの意味だから人偏をつけて優と名付けた。

幼いときはお前と兄ちゃんを連れていろいろと遊びに行ったり、
おかんと旅行をしたり、キャンプや海水浴に行ったりしたが、
小学校高学年になったら兄ちゃんや兄ちゃんの友達と遊んだり、
サッカーの倶楽部に入って練習したりで、あまり遊ばなくなったよな。

おかんと兄ちゃんと4人で最初に旅行に行って泊まったのは天ヶ瀬温泉。
まだ犬のサンちんが来ていない時だからお前が幼稚園か1,2年生。
泊まった、みるきーすぱサンビレッジで、部屋の外を見たら大きな蛙が
小さな蛙を食べたのには驚いたな。
その次は鯛生金山へ行って遊び、泊まったのは日田温泉の山水館。
おかんと4人で行ったキャンプは土井ヶ浜。あそこは車の横でテントが
張れるし、水道の栓を貸してくれて便利が良かった。
海も遠浅でとってもきれいだった。夜はバーベキューをして、
朝は焼きそばを作って食べさせた。

慎二兄ちゃんとこの家、誰も住む人が居なくなって売りに出しているけど、
なかなか売れないみたいだ。最初は980万円だったけど、今は840万円に
下がっている。
慎二兄ちゃんとも釣りやキャンプに行ったな。キャンプは国東の香々地と
山口県の青海島。青海島には釣りにも一緒に行ったよな。
おとんはお前ら兄弟が大きくなるまではずっと1BOXに乗っていたから
便利が良かった。お前も兄ちゃんも最初の車はおとんのお古。
あ~いろいろと思い出は尽きないよ。

事故の件で色々な新聞、TV,ネットで出てたけど、
無職を強調するような記事もあった。
たしかに無職だけど、それは一定の会社に勤務していないだけで、
優はかなりの収入があった。それでなければ賃貸マンションを借りて、
家財道具、電気製品をすべて自分自身で購入して、しかも預金が
200万円以上あって、そんな暮らしができるはずがない。
おそらく相手保険会社も無職ということを強調してくるだろう。
だが、優、おとんは負けないよ。裁判になってもいいから、
主張するところは絶対に曲げない。

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2018年09月28日
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