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中国の「一帯一路」崩壊

【中国の「一帯一路」崩壊】

「一帯一路」構想は、2013年に、習近平主席自らが最重要国家戦略として
打ち出した。陸と海のシルクロードを中国主導で整備し、周辺国と「ウイン・
ウイン」で経済発展を図るという壮大な構想だった。そのため、中国は
AIIBという国際金融機関までつくり、世界各国に参加を呼びかけた。

しかし中国の本音、本心は領土拡大。

現在の状態・結果は

スリランカ

中国マネーでハンバントタ港とラージャパクサ国際空港をつくった。いずれも、
大統領の地元への利益誘導だったため、債務返済の目処が立たなくなると、
中国は港を借金のカタに取り上げた。国際空港のほうも、世界で唯一、
国際線の発着がない空港と化して、現在にいたっている。

インドネシア

日本と受注を争ったインドネシア新幹線・ジャカルタ─バンドン鉄道は、
2016年に着工式をしただけで、いまだに開通の目処が立っていない。
日本から技術をパクったとされる高速鉄道の輸出である。

タイ

タイ新幹線も、日本と争って受注したが、いつ着工されるのかもわからない
状態になっている。これは、タイ政府が日中を天秤にかけたせいもあるが、
中国の計画のいい加減さが大きく影響している。

パキスタン

パキスタンでは、インダス川流域のディアメル・バハシャダム建設に、
140億ドルの資金提供を申し出た。しかし、インダス川の水源を
抑えられることを恐れたパキスタンはこれを拒否した。
パキスタンはこれまで、中国パキスタン経済回廊(CPEC)を通じて、
620億ドルという巨額の中国マネーを受け入れたため、債務返済に苦しんで
いる。すでに、中国のインド洋進出の拠点としてグワダル港を租借権で
抑えられてしまった。

モルディブ

首都マレと空港島を結ぶ全長2キロの「中国モルディブ友誼大橋」の建設。
さらに、空港島の北側にある人工のフルマーレ島では7000戸の住宅団地が
造成され、アッドゥ環礁では雑木林を伐採して260戸の集合住宅の造成が
進んだ。
いずれも、中国の金融機関が融資し、中国の建設会社が建設し、中国人労働者が
現場の仕事を行うプロジェクトだった。その結果、モルディブは中国人で
あふれ、観光客も中国人が主流となって、まさに「中国人の楽園」と化した。

ネパール

ネパールも中国から持ちかけられた25億ドルの水力発電事業を、合弁先の
中国企業が信用できないとして事業を取り消している。

マレーシア

日本と中国が争ってきたクアランプールとシンガポールを結ぶマレー新幹線
(2026年開業予定)の建設を中止した。さらに、中国企業によってすでに
着工済みの東海岸鉄道も見直すことを発表した。
ナジブ前首相の中国マネー漬けは、スリランカ以上にひどかった。
この前首相は、ユネスコからジオパークに指定された南国リゾート、
ランカウイ島を中国資本に売り渡してしまっていたのだ。
そのため、ランカウイ島では中国の大連万達集団(ワンダ・グループ)により、
自然を破壊した超高層高級マンション2棟と5つ星のラグジュアリーホテルの
建設が進んでいる。現首相のマハティール氏は、これも見直すと表明した。
中国マネーによるインフラ建設の極め付けは、シンガポールに隣接する
ジョホールバルに人口300万人規模のメガシティを建設する「イスカンダル
計画」である。イスカンダル計画の目玉の「フォレスト・シティ」には、
中国から華人60万人が移住する計画になっていた。
もちろん、マハティール氏は、このイスカンダル計画の見直しも表明した。

欧米メディアが「一帯一路」の危険さを認識したのは、今年になってからで
ある。トランプが中国に対する制裁関税を表明したのと合わせるように、
中国に対する批判的論調が目立つようになった。「一帯一路」はじつは
拡張政策であり、「中国の植民地政策政策にすぎない」という趣旨の記事が
出るようになった。
「一帯一路」は21世紀のシルクロードではなく「デット(債務)ロード」で
あることが、ようやくわかってきたのだ。

結局、中国の侵略が見えてきて、政権交代が起こった国はどんどん「一帯一路」
から離脱しているという状態である。
これには中国首脳もあわてた。
しかも現在はアメリカと熾烈な貿易戦争が続いている。
そこで出てきたのが日本の抱き込み戦術。
すでに安部首相の訪中が決まっており、2013年に失効していた
日中通貨スワップ協定の再開に大枠合意している。
さらに、ウラジオストクで行われた「東方経済フォーラム」で会談も行われた。
しかし日本はアメリカと仲良くし、かつ中国と上手くやっていくことなど
できはしない。中国の甘言に乗らないのがベストである。

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